「クリンプ糸」と聞いて、ピンとくる人はあまりいないのではないでしょうか?
人工芝は、よくみると2種類の芝糸が組み合わさっています。
1つはまっすぐな「ストレート糸」、もう1つがストレート糸の根本でもじゃもじゃしている「クリンプ糸」です。
ぱっと見は、地味で特になんの意味もないように思われるかもしれませんが、実は人工芝に欠かせない、なんでも屋さんなんです!
今回は、クリンプ糸がどんな役割をしているのかご紹介していきます。
クリンプ糸が入っていればなんでもいいの?
まず、クリンプ糸の役割を解説する前に、クリンプ糸の質についてホームセンターなどに売られている格安のリアル人工芝とメモリーターフとを比べて、少し説明したいと思います。
メモリーターフのクリンプ糸

格安なリアル人工芝のクリンプ糸

まず、ホームセンターのリアル人工芝は、コストを抑えてなるべく安く販売しています。
そのため、クリンプ糸として必要な弾力性がメモリーターフに比べて低く、本体のクリンプ糸の役割が果たせていません。
「クリンプ糸が入っているからこの人工芝はいい人工芝だ!」というわけではなく、クリンプ糸の質も見極めなければなりません。
質の高いクリンプ糸の見極め方
- ① 葉先の方までしっかり支えストレート糸を立たせているか
- ② 踏み心地や触り心地はふわふわしていてクッション性を感じるか
- ③ 離れてみた時に枯芝(クリンプ糸)が程よくみえるか
枯芝にみたててリアルさアップ
リアル人工芝は、主にストレート糸は緑色、クリンプ糸は茶色や濃い緑などを使用して、天然芝のような色合いを再現しています。
メモリーターフの場合は、ストレート糸で2色の緑色、クリンプ糸で濃い緑と茶色の2色、合計4色を使用し、より自然な色合いを再現しています。


ストレート糸を支えて起立性アップ
人工芝の「起立性」とは、“芝糸が立っているかどうか”です。
人工芝の起立性があるのとないのとでリアルさが全然違います。
このように、起立性があることでビニールっぽい光の反射を抑制し、枯芝に見立てたクリンプ糸が少しだけ見え、リアルさがアップします。
起立性あり
(メモリーターフ)

起立性なし
(従来のリアル人工芝)

さいごに
人工芝といったらストレート糸が注目されがちですが、今回はクリンプ糸にクローズアップしました。
メモリーターフのクリンプ糸は、弾力のある素材を採用し、さらに芯入りの形状にすることで、クリンプ糸の役割を最大限に生かし、よりリアルで質の高い人工芝になるように設計しております。
見えないところでがんばっている人や物があるからこそ、いろんな物事が成り立っていることはたくさんあります。
人工芝も同様で、クリンプ糸があるからこそ、人工芝が、メモリーターフが成り立っています。
あまり注目されない芝糸ですが、時々思い出してあげてください。